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認知症 後見人 申請 やり方

梶田 涼子 / 更新:2026-06-20
親が認知症になり、銀行口座が凍結された、施設の契約ができない——そんなときに必要になるのが成年後見人の申請です。結論を先に言うと、認知症で判断能力が落ちた人は「法定後見制度」を使い、本人の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てます。私は司法書士事務所で10年以上後見申立てに関わり、自分の父の申立ても経験しました。その実感も交えて、今日から動ける形で手順をまとめます。
  • 認知症で判断能力が不十分な人が使うのは主に「法定後見制度」です。
  • 申立て先は本人の住所地を管轄する家庭裁判所です。
  • 申立てができるのは本人・配偶者・四親等内の親族などです。
  • 申立手数料は収入印紙800円分で、別途診断書代や郵便切手代がかかります。
  • 手続き完了までは一般に2〜3か月程度と案内されます。

所要時間の目安は、書類集めに数日〜2週間、申立てから完了まで2〜3か月。難易度は「書類が多くて面倒だが、流れさえ分かれば自分でもできる」レベルです。

前提として必要なのは、本人の戸籍や住民票を取れる立場であること、そして医師に診断書を書いてもらえることです。

認知症 後見人 申請 やり方の結論

超初心者向け 成年後見制度ってなに?ずばり後見制度は、事前に「家族信託」で予防する
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認知症の人の後見人申請は、医師の診断書を取り、必要書類をそろえて本人の住所地の家庭裁判所に「後見開始の申立て」をするのが基本のやり方です。

ここを押さえれば全体の8割は理解できます。判断能力がすでに低下している場合、自分で後見人を選ぶ任意後見はもう使えません。家庭裁判所が選ぶ法定後見になります。

正直に言うと、私が父の申立てをしたとき一番手こずったのは書類集めでした。手続きそのものより、戸籍を遡って取り寄せる作業に時間がかかった記憶があります。

後見開始の申立ては、家庭裁判所の許可なく取り下げることができません。「やっぱりやめます」が効かない手続きなので、申立て前に家族で方針を固めておいてください。

このページの内容(目次)

この記事は「認知症の人の後見人を申請するやり方」を、ケース・相談先・書類・費用・期間の順で具体的に解説します。

  • どんなケースで後見制度が必要になるか
  • 相談はどこから始めればいいか(市区町村・家庭裁判所)
  • 申立てに必要な診断書と本人情報シート
  • 費用と期間の目安
  • 選任後にやること

成年後見制度を使ったケースを見てみましょう

成年後見制度が必要になる典型は、認知症で本人が契約や財産管理をできなくなったケースです。

私の父のときは、施設入所の契約と、定期預金の解約で詰まりました。銀行は本人確認が取れないと動いてくれない。家族でも勝手に下ろせない。これが現実です。

よくあるのは、預金が凍結されて医療費・施設費が払えない、実家を売って介護費用に充てたいのに本人が売買契約を結べない、といった場面です。

こうしたとき、家庭裁判所が選んだ成年後見人が本人に代わって財産を管理し、契約を結びます。これが制度の使いどころです。

今必要な方にもこれからの方にもそれぞれにあった制度があります。

法定後見~申立てに必要な書類と費用~13[成年後見制度について]
法定後見~申立てに必要な書類と費用~13[成年後見制度について]

判断能力がすでに落ちているなら法定後見、まだ元気で将来に備えたいなら任意後見、と入口が分かれます。

認知症が進んでから「任意後見にしたい」と思っても、もう契約能力がないため使えません。ここは間違える人が多い分かれ道です。

法定後見と任意後見の使い分け
制度使うタイミング後見人を決めるのは
法定後見すでに判断能力が低下している家庭裁判所
任意後見判断能力があるうち(将来に備える)本人(契約で指定)

任意後見は契約しただけでは効力が出ません。判断能力が落ちた後、家庭裁判所が任意後見監督人を選任して初めて動き出します。

相談の流れ

後見人申請は、まず相談先を決めるところから始めると迷いません。

私がおすすめする順番は、地域の窓口で全体像をつかんでから、家庭裁判所で具体的な手続き案内を受ける、という流れです。

  1. 市区町村の窓口や地域包括支援センターで相談する。
  2. 必要書類と全体の流れを把握する。
  3. 本人の住所地を管轄する家庭裁判所に手続きを確認する。
  4. 医師に診断書を依頼する。
  5. 書類をそろえて申立てをする。

ここまでできていれば、あとは書類を埋めていく作業です。流れが頭に入っているかどうかで、しんどさが全然違います。

市区町村・民間団体等への相談

最初の相談先としては、市区町村の高齢福祉窓口や地域包括支援センターが入りやすいです。

ここでは制度の概要、申立てができそうか、専門家を紹介してもらえるか、といった全体像を確認できます。

費用を抑えたいなら、自分で申立書を作る前提で相談するのも手です。司法書士や弁護士に丸ごと依頼すると数万円〜十数万円の報酬がかかります(事務所により幅があります)。

うまくいかないとき——窓口で「ここでは分からない」と言われたら、次の家庭裁判所の手続案内に進んでください。窓口によって対応の差は正直あります。

家庭裁判所の手続案内

【3分でわかる】任意後見制度の流れ
【3分でわかる】任意後見制度の流れ

家庭裁判所では、申立書の書式や必要書類の一覧を案内してもらえます。

多くの裁判所が後見申立て用の書式と記入例を用意しています。まずは管轄の家庭裁判所のサイトか窓口で、申立てセット一式を入手してください。

申立てができる人は、本人・配偶者・四親等内の親族などです。ここに当てはまらないと、原則として自分では申立てできません。

家庭裁判所への相談

申立て先は、本人の住所地を管轄する家庭裁判所です。これを間違えると受け付けてもらえません。

本人が施設に入っている場合、どこを「住所地」とみなすか迷うことがあります。判断に迷ったら管轄の裁判所に電話で確認するのが早いです。

申立て後、家庭裁判所は親族に後見人候補者の意向を確認することがあります。誰を候補者にするか、家族で事前に話し合っておくとスムーズです。

親族を後見人候補にしても、必ずその人が選ばれるとは限りません。財産が多い・親族間で意見が割れているといったケースでは、専門職後見人が選ばれることがあります。

成年後見制度の申立における診断書と本人情報シートについて

申立てには医師の診断書が必須で、これが本人の判断能力を裁判所が判断する土台になります。

診断書は裁判所が定める書式で、かかりつけ医や認知症の主治医に書いてもらいます。本人の生活状況を伝える「本人情報シート」を福祉関係者に作ってもらい、医師に渡すと診断書が書きやすくなります。

精神の状況について鑑定が必要と判断されると、鑑定費用は申立人負担になることがあります。金額は事案ごとに異なります。

私の経験では、診断書を依頼してから受け取るまで2週間ほどかかりました。早めに動いておくのが正解です。

法定後見制度における成年後見人等の選任

成年後見制度 とは? 法律事務所 の 弁護士 がわかりやすく解説! 種類 , 申し立て 方法 , 手続き など
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家庭裁判所は、本人の判断能力に応じて後見・保佐・補助のいずれかを開始し、後見人・保佐人・補助人を選任します。

判断能力に応じた3つの類型
類型本人の判断能力の目安選任される人
後見類型判断能力が欠けているのが通常成年後見人
保佐類型判断能力が著しく不十分保佐人
補助類型判断能力が不十分補助人

認知症がかなり進んでいる場合は後見類型になることが多いです。どの類型かは診断書の内容をもとに裁判所が決めます。

選任後、後見人は原則1か月以内に財産目録と収支予定表を裁判所に提出します。そして原則として少なくとも年1回の報告が求められます。

後見人の仕事は本人が亡くなるまで続きます。「契約が済んだら終わり」ではなく、毎年の報告がずっと続く点は覚悟しておいてください。

認知症発症後の成年後見制度とは

認知症発症後の成年後見制度とは、判断能力が低下した本人の財産管理と契約を、家庭裁判所が選んだ後見人が代わって担う仕組みです。

できることは、預貯金の管理、不動産の管理・処分(裁判所の許可が要る場合あり)、施設や医療の契約、本人に不利な契約の取り消しなどです。

一方でできないことも明確です。本人の代わりに手術への同意(医療同意)はできません。日常の買い物まで全部禁止するような縛りもしません。本人の意思を尊重するのが大前提です。

後見人にできること・できないこと
できることできないこと
預貯金・財産の管理医療行為への同意(手術の同意など)
施設・医療の契約本人の身元保証人になること
不利な契約の取り消し本人に代わって遺言を書くこと

ここでよく聞かれるのが費用と準備物です。基本の申立手数料は収入印紙800円分。登記手数料の案内では収入印紙1,400円分が示されています。郵便切手代は裁判所ごとに違うので、申立先に確認してください。

申立てにかかる費用の目安
項目金額の目安備考
申立手数料収入印紙800円分後見開始の申立て
登記手数料収入印紙1,400円分成年後見制度の案内による
連絡用郵便切手裁判所ごとに異なる申立先に要確認
鑑定費用事案ごとに異なる必要な場合に申立人負担
診断書代医療機関による別途必要

準備するものは、申立書、医師の診断書、本人の戸籍謄本、住民票、財産目録、収支状況報告書、親族関係図、候補者事情説明書など。数が多いので、チェックリスト化して一つずつ潰すのが結局いちばん早いです。

この手順どおりに進めれば、書類をそろえて家庭裁判所に申立てを出し、2〜3か月後に後見人が選任される——というゴールまでたどり着けます。私の父のときも、この流れで無事に口座の管理ができるようになりました。

よくある質問

よくある質問

認知症 後見人 申請 やり方とは?
認知症で判断能力が低下した本人について、医師の診断書をそろえ、本人の住所地を管轄する家庭裁判所に「後見開始の申立て」をするのが基本のやり方です。申立てができるのは本人・配偶者・四親等内の親族などです。
認知症 後見人 申請 やり方の費用は?
申立手数料は収入印紙800円分です。これに加え、登記手数料(収入印紙1,400円分の案内あり)、裁判所ごとに異なる郵便切手代、診断書代がかかります。鑑定が必要な場合は鑑定費用が申立人負担になることがあり、金額は事案ごとに異なります。
認知症 後見人 申請 やり方の始め方は?
まず市区町村の窓口や地域包括支援センターで相談し、全体像をつかみます。次に本人の住所地の家庭裁判所で申立書一式を入手し、医師に診断書を依頼してから必要書類をそろえて申立てます。完了まで一般に2〜3か月程度と案内されます。
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梶田 涼子

元司法書士事務所勤務(補助者として後見申立て案件に10年以上関与) ・ ファイナンシャルプランナー2級(相続・資産管理分野)
司法書士事務所勤務歴10年以上

司法書士事務所での補助者経験と、自身の父親の成年後見申立てを経た実体験をもとに、制度の仕組みから費用・期間・手続きの流れまでを一次情報に当たりながら書いています。専門用語を使わず、今すぐ動けるレベルまで噛み砕くことを心がけています。

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