後見人制度
- 後見人制度は、判断能力が不十分な人を法律で保護・支援する仕組みです。
- 制度は「法定後見(後見・保佐・補助)」と「任意後見」の2つに大きく分かれます。
- 令和6年12月末時点の利用者数は合計253,941人です。
- 申立ての手数料は800円、登記手数料は2,600円と少額です。
- ただし鑑定が必要になると5万〜10万円程度かかる場合があります。
後見人制度の結論

後見人制度とは、認知症・知的障害・精神障害などで判断能力が十分でない人を、法律上で保護・支援する制度です。
この一言で大体伝わるのですが、実際に使う側からすると「で、いくらかかるの?」「どこに行けばいいの?」が知りたいところですよね。
申立ての費用そのものは安いです。申立手数料800円、登記手数料2,600円。郵便切手代が3,000〜5,000円程度。ここまでは厚生労働省の資料に明記されています。
問題は鑑定費用です。本人の精神状況を医師に鑑定してもらう場合、5万〜10万円程度かかることがあります。ただし全件で必要なわけではありません。
ご本人・家族・地域の みなさまへ
後見人制度は、本人とその家族が最初の相談者になるケースがほとんどです。
私の父のときも、動いたのは家族でした。本人は「自分はまだ大丈夫」と思っているので、家族が銀行や役所で壁にぶつかって初めて制度を知る、という流れが多いです。
令和6年12月末時点で、後見・保佐・補助・任意後見を合わせた利用者は253,941人。決して珍しい制度ではありません。
あなたにできる支援を お考えのみなさまへ
後見人は親族だけでなく、司法書士や弁護士などの専門職、市民後見人も担えます。
「親族が遠方で頼れない」「お金の管理でもめたくない」というご家庭では、第三者の専門職が選ばれることも多いです。誰が後見人になるかは家庭裁判所が決めます。
正直に言うと、親族が後見人になると毎年の報告作業が地味に負担です。私は補助者として何件も見てきましたが、ここで挫折しかける人は少なくありません。
自治体・中核機関の みなさまへ

低所得で費用が払えない人のために、自治体には成年後見制度利用支援事業があります。
厚生労働省の資料では、この事業は低所得の高齢者に対して制度利用に要する費用等を助成し、権利擁護を図ることを目的としています。申立費用や後見人報酬の助成を受けられる場合があるので、まず市区町村の窓口に確認してください。
「費用が払えないから諦める」のはもったいない。ここは意外と知られていないので、強調しておきます。
お知らせ
最新の利用者数や統計は、裁判所が毎年公表する「成年後見関係事件の概況」で確認できます。
制度は少しずつ運用が変わります。古いサイトの数字をそのまま信じず、年に一度更新される裁判所の原資料に当たるのが確実です。私もこの記事を書くときは必ず最新版を開きます。
成年後見制度(後見・保佐・補助)の概要を知りたい方へ
成年後見制度は、本人の判断能力の程度に応じて「後見」「保佐」「補助」の3段階に分かれます。
判断能力がほとんどない状態なら「後見」、かなり不安があるなら「保佐」、一部に不安がある程度なら「補助」。どこに当てはまるかで、支援者の権限の範囲が変わります。
| 類型 | 対象となる本人の状態 | 支援者の呼び名 |
|---|---|---|
| 後見 | 判断能力が欠けているのが通常の状態 | 成年後見人 |
| 保佐 | 判断能力が著しく不十分 | 保佐人 |
| 補助 | 判断能力が不十分 | 補助人 |
1.成年後見制度(後見・保佐・補助)の概要を知りたい方へ

制度を理解するうえで最初に押さえるべきは、「法定後見」と「任意後見」の違いです。
法定後見は、すでに判断能力が落ちた後に家庭裁判所へ申し立てる仕組み。任意後見は、判断能力があるうちに「将来この人に頼む」と契約しておく仕組みです。タイミングが真逆だと思ってください。
私の父は申立て時にはすでに認知症が進んでいたので、選べたのは法定後見だけでした。元気なうちに任意後見を結んでおけば、と少し悔やんだのが正直なところです。
2.成年後見制度の利用を検討している方へ
利用を始めるには、本人の住所地を管轄する家庭裁判所へ申立てをします。
申立てができるのは、本人・配偶者・四親等内の親族などです。必要書類には診断書や本人情報シートがあり、これで本人の状態を裁判所に伝えます。
申立てから選任までの期間は、裁判所統計を紹介した資料によると、令和2年で1か月以内が39.1%、2か月以内が31%でした。おおむね1〜2か月で動くイメージです。
3.関連サイト
制度の公式な情報は、厚生労働省と裁判所のサイトで確認するのが確実です。
費用や報酬の考え方は厚生労働省、利用者数などの統計は裁判所、というふうに使い分けると迷いません。鑑定の要否など細かい論点は専門家の解説も参考になります。
4.次の家庭裁判所では個別にご案内する事項があります。詳しくは各庁サイトをご覧ください。

必要書類の様式や運用は、家庭裁判所ごとに細かく異なる場合があります。
診断書の書式や提出方法、面接の有無など、管轄の庁によって案内が違うことがあります。申立て前に必ず管轄の家庭裁判所のサイトを確認してください。実際、私が関わった案件でも庁ごとに窓口対応の温度差はありました。
1.成年後見制度とは
成年後見制度とは、認知症・知的障害・精神障害などにより判断能力が十分でない人を、法律上で保護・支援する制度です。
後見人ができる仕事は、大きく財産管理と身上監護の2つ。預貯金や不動産の管理、契約の代理などが財産管理、介護サービスの契約や入院手続きなどが身上監護です。
一方で、できないこともあります。本人の身の回りの世話そのもの(掃除や食事の介助など事実行為)や、結婚・遺言といった本人だけが決められる行為は後見人が代わりにはできません。ここを誤解している人が本当に多い。
なお、家庭裁判所は本人の精神の状況について鑑定をしなければ後見開始の審判ができませんが、明らかに必要がないと認めるときは例外があります。鑑定が省略されれば、その分の5万〜10万円程度はかかりません。
よくある質問
最後に、相談現場でも自分の申立て時にも実際に出た質問をまとめます。
